大仏さまの螺髪から生まれた縁起菓子
東大寺の大仏さまの頭にある美しい巻き髪「螺髪(らほつ)」をご存知でしょうか。
この螺髪をモチーフにした奈良祥樂の「らほつ饅頭」は、知恵の象徴とされる螺髪の形を忠実に再現した縁起の良いお菓子です。
本記事では、らほつ饅頭の魅力と背景にある深い歴史文化について、奈良の和菓子文化に興味をお持ちの方、縁起の良いお菓子をお探しの方に向けて詳しくご紹介いたします。
螺髪に込められた智慧の象徴
| 螺髪(らほつ)とは何か
螺髪とは、仏像の丸まった髪の毛の名称で、仏陀の三十二相八十種好のひとつとされています。「螺」は巻き貝を意味し、すべて右巻きになっているのが特徴です。東大寺の大仏さまには492個の螺髪があり、それぞれが直径約22センチメートルの大きさを持っています。
この螺髪は単なる髪型ではなく、お釈迦さまが修行中に伸びた髪が縮れて丸まっている様子を表現しており、知恵の象徴とも呼ばれています。
仏陀が人間を超えた存在であることを示す重要な特徴として、古来より大切に扱われてきました。
| らほつ饅頭の製法と特徴
奈良祥樂のらほつ饅頭は、この神聖な螺髪の形を忠実に再現した縁起の良いお菓子です。
沖縄県産の黒糖を使用した生地で上品な餡を包み、こだわりの米油で香ばしく揚げたかりんとう饅頭として仕上げられています。
製造工程では、まだ生地が柔らかい揚げたてをしっかりと冷ますことで、表面のカリッとした食感を生み出しています。この独特の食感は、普通のお饅頭とは一線を画す新食感として多くの方に愛されています。
| 五種類の餡の魅力
らほつ饅頭には五種類の餡が用意されており、それぞれに特色があります。
- こしあん:北海道十勝小豆を使用したなめらかで上品な甘さ
つぶあん:食感の違いを楽しめる伝統的な味わい
栗かぼちゃあん:山添村産栗かぼちゃを使用した季節感溢れる味
大和抹茶あん:奈良銘茶である大和抹茶をふんだんに使用
桜あん:季節限定で楽しめる春らしい風味 -
| おいしい召し上がり方
らほつ饅頭は、時間が経過すると生地が柔らかくなりますが、オーブントースターで2-3分加熱することで、カリッとした食感が復活します。
この温め直しにより、黒糖の風味も増し、より一層おいしくお召し上がりいただけます。
| まとめ:知恵と縁起を運ぶ特別なお菓子
らほつ饅頭は、東大寺大仏の螺髪という神聖なモチーフから生まれた、知恵の象徴を形にした縁起の良いお菓子です。
沖縄県産黒糖の風味と米油で揚げたかりんとう生地の香ばしさ、そして五種類の上品な餡の組み合わせが織りなす新食感は、奈良ならではの特別な味わいを提供しています。
大切な方への贈り物として、また奈良の歴史文化を感じられるお土産として、らほつ饅頭は多くの方に喜ばれる逸品です。